使いにくいシステムには、共通する「嫌われポイント」があります。作る前に知っておくべき現場の本音です。
現場スタッフが一番嫌いなシステム操作の特徴
2026年 / カテゴリ:現場SEあるある / 読了目安:6分
「使いやすいシステムを作りたい」という気持ちは、開発者側もコンサル側も持っています。でも、実際に現場に入ってスタッフの手元を見ていると、「これは嫌われるな」と感じる操作パターンが繰り返し出てきます。
病院で医事業務をしていた経験と、システムを作る側の経験、両方があるからこそ見えてくることがあります。今回は現場スタッフが特に嫌いなシステム操作の特徴を、正直にまとめてみます。
① 同じ情報を何度も入力させる
患者名を入力したのに、次の画面でもまた患者名を入力する。部署名を選んだのに、帳票出力のときにもう一度選ばされる。こうした「さっき入れたのにまた?」という体験は、現場スタッフの疲弊に直結します。
1回の入力なら5秒でも、1日100回繰り返せば8分以上のロスになります。時間の問題だけでなく、「このシステムは自分たちのことを考えて作られていない」という不信感につながるのが本当の問題です。
システム間の連携が不十分なまま複数ツールを導入すると、二重入力が構造的に発生します。ツールを増やすほど現場の入力負担が増えるという逆転現象が起きがちです。
② クリック・タップの数が多すぎる
「確認画面」「確認ボタン」「完了画面」と、1つの操作に3画面かかるシステムがあります。慎重さは大切ですが、1日に何百回も繰り返す操作に確認ステップが多すぎると、現場は無意識に確認を読み飛ばすようになります。
安全のための確認設計が、慣れによって形骸化してしまうのです。よく使う操作ほど最短ルートで完結できるように設計することが、使いやすさと安全性を両立させるコツです。
③ エラーメッセージが意味不明
「エラーコード:E-4029」とだけ表示されて、何をすれば解決するのかが一切わからないシステム。現場スタッフが最初にすることは、近くのベテランスタッフへの「これどうするんでしたっけ?」です。
エラーメッセージは「何が問題か」ではなく「次に何をすればよいか」を伝えるものであるべきです。開発者にとっての当たり前が、現場にとっての暗号になっていないか。リリース前に現場目線で必ず確認してほしいポイントです。
「このエラーが出たらとりあえず再起動」という現場の暗黙ルールが存在する施設は、今も珍しくありません。それはバグではなく、エラー設計の失敗です。
④ 画面の動きが遅い
医療・介護の現場では、システムの処理を待っている間も患者さんや利用者さんが目の前にいます。画面が切り替わるまでの3秒は、オフィスワークの30秒に相当するくらいのストレスです。
レスポンスの遅さは「慣れればいい」で解決できるものではありません。現場の業務テンポに合わない応答速度は、そのままシステム全体への不満に変わります。性能要件はリリース前に現場環境で必ず確認することが必要です。
⑤ 「例外」に対応できない硬さ
医療・介護の現場は、イレギュラーが日常です。システムが想定した通りの手順でしか動かせないと、ちょっとした例外ケースのたびに「システムが使えない」という状況になります。
「このケースはシステムに入れられないので紙で対応します」が増えていくと、気づけば紙との二重管理に逆戻りです。現場の業務は100%ルール通りにはいかない、という前提でシステムを設計することが、長く使われるシステムの条件です。
「9割の標準ケースは自動で、1割の例外は人が判断できる設計」を意識することが大切です。例外を全部システムに組み込もうとすると複雑になりすぎ、例外を全部手運用にすると現場が疲弊します。このバランスがシステム設計の腕の見せ所です。
この記事のまとめ
- 同じ情報の二重入力は時間と信頼の両方を奪います
- クリック数が多すぎる確認設計は形骸化を招きます
- エラーメッセージは「次に何をすべきか」で設計することが大切です
- 画面の応答速度は現場環境で必ず確認することが必要です
- 例外ケースへの柔軟さが、長く使われるシステムの条件です
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