会議を録音してAIに渡せば、すぐに使える議事録ができる。そう期待したのに、発言者が入れ替わり、固有名詞が崩れ、決定事項が見つからない。そんな経験はありませんか。
AI議事録の使いやすさは、ツール選びだけで決まりません。会議前の準備を少し整えると、後から直す負担を減らしやすくなります。今回は、個人事業主や小さな会社でも始めやすい4つの準備を紹介します。
準備1:議事録の目的を一文で決める
最初に「何のために残すのか」を決めます。決定事項を共有する議事録と、議論の経緯を保存する記録では、必要な内容が違います。
- 決定事項と期限を確認したい
- 担当者ごとの作業を整理したい
- 欠席者へ議論の流れを伝えたい
- 顧客との認識合わせに使いたい
目的を一文にすると、AIへの指示も具体的になります。たとえば「決定事項、担当者、期限、未決事項の4項目でまとめてください」と先に決めておきます。
準備2:参加者名と専門用語を先に用意する
人名、会社名、商品名、略語は誤認識されやすい部分です。会議前に参加者一覧とよく使う用語を短いメモにしておき、AIへ渡せる形にします。
例として「山田:営業担当」「佐藤:制作担当」「CRM:顧客管理システム」のように、役割や意味も添えると整理しやすくなります。ただし、個人情報や機密情報を外部のAIへ入力してよいか、社内ルールと利用サービスの設定を確認してください。
準備3:音声を拾いやすい環境を作る
複数人が同時に話す、マイクから遠い、キーボード音や空調音が大きいと、文字起こしの確認箇所が増えます。高価な機材をそろえる前に、次を試してください。
- マイクを参加者の中央に置く
- オンライン参加者はイヤホンを使う
- 発言が重ならないよう進行役を決める
- 固有名詞や数字はゆっくり言い直す
重要な決定が出た時に、進行役が「決定事項は○○、担当は△△、期限は×日です」と復唱すると、人にもAIにも分かりやすい記録になります。
準備4:人が確認する担当と期限を決める
AIが作った議事録は完成品ではありません。発言者、日付、金額、期限、決定事項を原音やメモと照らして確認します。会議が終わる前に、誰がいつまでに確認するか決めておきましょう。
確認担当を決めず全員へ共有すると、間違いが残ったまま「誰かが見ただろう」と扱われることがあります。作成者と確認者を分けられない場合でも、最低限チェックする項目を固定すると抜けを防ぎやすくなります。
そのまま使える会議前チェックリスト
- 議事録の目的と出力形式を決めた
- 参加者名、役割、専門用語を用意した
- マイク位置と周囲の雑音を確認した
- 確認担当者と共有期限を決めた
- 録音やAI利用について参加者へ案内した
AIへの指示例
「以下の文字起こしから、1.決定事項、2.担当者と期限、3.未決事項、4.次回までの確認事項の順で整理してください。推測で補わず、不明な箇所は『要確認』と表示してください。」
まずは次回の会議で、目的と確認担当の2つだけ先に決めてみてください。議事録を作る時間だけでなく、その後に探し直す時間も減らしやすくなります。

