生成AIにアイデアを頼んでも、毎回どこかで見たような案ばかり。言い回しを変えて質問しても、結果があまり変わらない。そんな悩みはありませんか。
AIは、条件が少ない質問に対して、多くの人に当てはまりそうな無難な答えを返しやすい傾向があります。違う案を得るには、「もっと面白くして」と頼むより、考える方向を具体的に変えることが大切です。今回は、一般の利用者や個人事業主、小さな会社でも試しやすい4つの工夫を紹介します。
1.立場を変えて考えてもらう
同じテーマでも、誰の立場で考えるかによって課題とアイデアは変わります。AIへ質問する時に、対象となる人を一人に絞らず、複数の立場から案を出してもらいましょう。
例えば新しい予約サービスの案なら、次のように頼めます。
「初めて使うお客様」「忙しい受付担当者」「管理する責任者」の3つの立場から、それぞれ困りごとと改善案を3つずつ出してください。
利用者だけでなく、運用する人や判断する人の視点を入れると、見落としていた課題が見つかりやすくなります。
2.あえて条件を広げたり狭めたりする
条件を同じにしたままでは、AIの答えも似やすくなります。そこで、一度条件を大きく広げた案と、厳しく絞った案を両方出してもらいます。
- 予算をかけず、今日からできる案
- 予算や期間の制約を外した理想案
- 一人でできる案
- 他社や地域と協力する案
- 紙だけで運用する案
- デジタルだけで完結する案
実際に採用できない案が含まれても問題ありません。極端な条件から出た要素を、現実的な案へ戻して使うことが目的です。
3.似ていない案を指定して出してもらう
単に「10案ください」と頼むと、表現だけ違う似た案が並ぶことがあります。そこで、案同士の違いを明示してもらいます。
方向性が重ならない案を5つ出してください。各案について「誰向けか」「使う場面」「これまでとの違い」を1行ずつ説明してください。
出てきた案が似ていたら、「2案目と同じ考え方の案を除き、別の仕組みで3案追加してください」と具体的に伝えます。何が似ているのかを示すと、AIも違う方向へ展開しやすくなります。
4.良い部分を組み合わせて次の案を作る
最初から完成案を求める必要はありません。複数案から良い要素を選び、組み合わせて改良します。
- まず方向の違う案を5つ出す
- 各案の良い点と心配な点を整理する
- 残したい要素を人が選ぶ
- 選んだ要素を組み合わせた案を3つ作る
- 実行しやすさで比べる
例えば「導入が簡単」という案の良さと、「利用者が参加できる」という案の良さを組み合わせれば、元のどちらとも違う案になります。
そのまま使える依頼文の例
次の形にすると、条件と違いが伝わりやすくなります。
【目的】小さな店舗への来店を増やしたい
【対象】近隣に住む30〜50代
【条件】予算は月3万円以内、担当者は1人
【依頼】方向性が重ならない案を5つ。各案の対象、実施手順、必要なもの、他の案との違いを示してください。最後に、2つの案を組み合わせた案も1つ提案してください。
目的、対象、条件、出力の形を順番に書くと、AIの回答を比べやすくなります。実際の顧客情報や機密情報は入力せず、必要なら仮の設定に置き換えてください。
AIと人の役割を分ける
AIは選択肢を増やすことが得意ですが、どの案が自社やお客様に合うかは、現場を知る人が判断します。AIに複数の方向を出してもらい、人が目的、費用、実行しやすさで選ぶ。この分担にすると、無難な一案で終わらず、検討の幅を広げられます。

