『現場の声を大切に』と言いながら現場に来ないコンサルへ

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これは業界批評であり、自分自身への戒めでもあります。

「現場の声を大切に」と言いながら現場に来ないコンサルへ

2026年 / カテゴリ:現場SEあるある / 読了目安:6分

「現場の声を大切にします」「現場目線で考えます」。コンサルの提案書や自己紹介によく出てくる言葉です。でも、最後に現場を訪問したのがいつか聞くと、口ごもる人がいます。

これは批判のための記事ではありません。自分自身も同じ罠に陥りかけたことがあるからこそ、正直に書きます。「現場の声を大切に」という言葉が、いつの間にかスローガンになっていないか。そのことを、一緒に考えてほしいのです。

「現場の声」はどこから来るのか

現場に行かないコンサルが「現場の声」として使う情報は、たいていヒアリングシートの回答か、担当者へのインタビューです。それ自体は悪くありません。でも、それだけでは拾えない声が必ずあります。

実際に現場に足を運ぶと、ヒアリングシートには絶対に書かれない情報が見えてきます。スタッフの表情、動線の無駄、誰も使っていない掲示物、ため息をついてシステムを操作している姿。これらは「声」ではなく「空気」です。この空気を感じずに「現場の声を大切に」と言うことは、地図を持たずに現地を知っていると言うようなものです。

🔥 正直に言うと

ヒアリングシートで「特に困っていることはありません」と答えたスタッフが、現場に行くと疲弊しきった表情で働いていたことがあります。書いてくれないことの方が、書いてくれることより多いことがあります。

なぜ現場に来なくなるのか

現場に来なくなる理由は、怠慢だけではありません。リモート会議が当たり前になり、「わざわざ行く必要があるか」という判断が先に立つようになります。施設側も「来てもらうと業務の邪魔になる」と感じて、遠慮して声をかけなくなります。こうして気づかないうちに、現場との距離が開いていきます。

でも、距離が開いた分だけ、提案の精度は落ちます。画面越しに見える現場と、実際に立った現場は、解像度がまったく違います。効率を優先した結果、一番大切なものを失っているかもしれないという自覚が、コンサルには必要だと思っています。

「現場を知っている」の賞味期限、再び

以前も書いたことですが、「現場を知っている」という感覚には賞味期限があります。1年前の現場と今の現場は、スタッフも業務フローも変わっています。「元現場スタッフだから現場がわかる」は、定期的にアップデートし続けているときだけ意味を持ちます。

過去の経験は財産ですが、それに頼りきったとき、コンサルとしての視点は止まります。「わかっている」と思った瞬間に、学ぶことをやめてしまうリスクがあります。現場に行き続けることは、知識のアップデートであると同時に、自分の視点が固まりすぎていないかを確認する機会でもあります。

⚠ 自分への問いかけ

「最後に現場に行ったのはいつか」を、定期的に確認することをおすすめします。その答えが3ヶ月以上前なら、何か理由をつけて現場を見に行くタイミングかもしれません。

現場に来ることが、信頼の基盤になる

「またこの人が来た」という顔をしてもらえるようになったとき、コンサルとしての関係が本物になり始めます。定期的に顔を出すことで、現場スタッフは「この人に話してもいい」という感覚を持ってくれます。その信頼があるから、ヒアリングシートには書かれない本音が聞けるようになります。

「現場の声を大切に」という言葉を使うすべてのコンサルに、一つだけ聞きたいことがあります。最後に現場に行ったのは、いつですか。

✅ 自分が決めていること

どんなに忙しくても、関わっている施設には定期的に顔を出すことを自分のルールにしています。課題解決のためだけでなく、「空気を感じに行く」ことが目的の訪問が、一番大切な情報をくれることがあります。


この記事のまとめ

  • ヒアリングシートでは拾えない「空気」が、現場には必ずあります
  • リモート化で気づかないうちに現場との距離が開いていくことがあります
  • 「現場を知っている」という感覚には賞味期限があります
  • 定期的に顔を出すことが、本音を聞かせてもらえる信頼の基盤になります
  • 「最後に現場に行ったのはいつか」を定期的に自分に問うことが大切です
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